企業型DCとは。デメリット、はじめかた、お得な受給方法を解説

      2020/01/16

この記事のもくじ

企業型DC(企業型確定拠出年金)とは

企業が掛金を毎月積み立てし、従業員が自ら年金資産の運用を行う制度。
従業員は掛金をもとに、金融商品の選択や資産配分の決定を行う。
 
基本的にはiDeCo(個人型確定拠出年金)より有利で税制上お得な制度。
 

企業型DC(企業型確定拠出年金)のメリット

運用益が非課税

一般的な金融商品で運用する場合、約20%の税金がかかるが、それが全額非課税となる。

受け取り時、退職所得控除、公的年金控除の対象

一時金か年金の形式で受け取れる。
  • 一時金:退職所得控除
  • 年金:公的年金等控除

マッチング拠出時の掛金は全額所得控除

従業員が拠出する掛金は、全額所得控除の対象。
所得税と住民税が軽減される。

全額守られているため、取り上げられることはない

確定拠出年金はあくまで加入している本人のお金。
確定給付企業年金(DB)の場合は減額の可能性がある。実際に減らされた事例もある。

途中で死亡した場合は、遺族が残額を受け取れる

下記として受け取れる
  • 死亡一時金
  • 障害給付金

年金の資産状況をいつでも確認できる

資産管理会社の個人口座をパソコンやスマホからいつでも閲覧可能です。

スイッチングや配分変更ができる

スイッチング機能

運用期間を通して、途中でその内容を変更することができる。
その方法として、既に持っている商品を売却し、そのお金で別の商品を買う。
 
※NISAにはスイッチング機能はない
 

配分変更

今後買い足していく商品の内容や配分を変更できる。

ポータビリティで転職時も運用を継続できる

退職・転職しても、運用資産を持ち運ぶことができる。
 

企業型DCに加入した状態で退職・転職した場合

口座を移し換える時に、運用してきた商品を一旦、現金化する必要がある。

転職先に企業型DCがある場合

転職先の企業型DCに移す。

退職時もしくは転職先に企業型DCがない場合

iDeCo(個人型DC)に移す。

6か月以内に手続きしないと国民年金基金連合会に自動移換される

自動移換された場合のデメリット

  • 自動移換された資産は、売却され現金として管理され、利息はつかない
  • 確定拠出年金における加入期間とみなされず、60歳になっても年金資産として受け取れない可能性がある。
  • 自動移換時に4269円の手数料がかかる
  • 自動移換4か月目以降、毎月、管理料として51円かかる
  • 企業型年金へ移換時、手数料合計5349円かかる
  • iDeCo(個人型年金)への移換時、手数料合計8126円かかる
資産を引き出せないので、給付時、iDeCo(個人型DC)に資産を移換する必要がある。
いつかは絶対に移換する必要がある上、自動移換はデメリットしかないので早急に移換の手続きすることをおススメします。
 
 

企業型DC(企業型確定拠出年金)のデメリット

原則60歳まで現金化できない

年金目的の資金積み立て制度のため、原則60歳まで資産を引き出せない。

元本割れリスクがある

リスク資産に運用先を選んだ場合、元本割れする場合もある。

給与減額方式の場合、厚生年金の受取額が減額される

社会保険料が安くなる為、その分厚生年金の受取額も減る。

自分で運用先を選ぶため知識が必要

知識がない状態で運用すると、損する可能性が高まります。
 
 

企業型DC(企業型確定拠出年金)をはじめるには

勤め先が企業型DCを扱っているか確認

確認先

規約もしくは人事・総務関係部署

企業型DCについての確認内容

企業型DCに自身が加入対象となっているか

対象となっているならば入った方が税制上お得。
 

マッチング拠出という仕組みを入れているか

企業が出した掛け金の同額を自分でも出せる。
  • 他の企業年金がない場合:月上限5万5000円
  • 他の企業年金がある場合:月上限2万7500円
マッチング拠出による掛金は全額所得控除となる為、余裕があるなら出した方がお得。
あえて払わず、相場が悲観的な時にのみ出すという手も有効。
マッチング拠出できない場合は会社に働きかけるのもあり。
 

給与減額方式か

給与を下げて企業型DCの掛け金とした場合、税金負担・社会保険料負担等は減るが、下記のお金も減る。
  • 厚生年金の受取額
  • 傷病手当金
  • 出産手当金
  • 失業手当等
ものすごく長生きしない限り、選択制で企業型DCはお得
と言われている。
 

iDeCo(イデコ)(個人型確定拠出年金)の加入が可能か

給与減額方式のデメリットなく税負担減の恩恵だけ受けられる。
 
企業が企業型DCとiDecoを併用するには、規約に下記の記載と企業型DCの拠出限度額の引き下げが必要。
  • マッチング拠出しない
  • 従業員がiDeCo(個人型DC)に加入できる
 

確定給付企業年金(DB)もやっているか?

限度額が変わります。
 
▼1年間の限度額です。
企業型DCのみ 企業型66万円 どちらかを選択
企業型42万円 個人型24万円
企業型DC+DB DBあり 企業型33万円 どちらかを選択
企業型18.6万円 個人型14.4万円
DBのみ 個人型14.4万円
 
確定給付企業年金(DB)とは
従業員が受け取る給付額が約束されている企業年金制度。
会社が運用し、結果が悪ければ会社が不足分を穴埋めする。
企業業績が著しく悪化した場合は給付減額の可能性がある。
 
 
 

企業型DCの投資先を確認(企業ごとに異なる)

実質コスト(信託報酬、売買委託手数料、監査費用など)

なるべく安いものを選択。年0.3%以下が理想。
もし割高な投資先しかなければ、組合などを通じて良い商品を入れられないか交渉。
 

投資先のリターン

企業型DCは運用益が非課税の為、株式中心のリターンが高めなものを選択。低リスク資産は税制上お得ではない所での運用がおススメ。
 
 

企業型DCの受け取り方(給付)

 老齢給付金

60歳以降に運用してきたお金を受け取る。
 

年金として受け取り

5~20年で受け取る(金融機関により異なる)。
公的年金等控除を適用後、雑所得として所得税・住民税が課税。
 

一時金として受け取り

退職所得として、退職所得控除後に、所得税、住民税が課税。
※金融機関によっては一時金と年金を組み合わせて受け取ることもできる。

障害給付金

加入者が疾病により障害状態になった場合、一定期間経過後に請求して受け取る。
60歳前でも受け取れる。非課税。

死亡一時金

加入者が亡くなったときに遺族が受け取る。
みなし相続財産として扱われ、相続税の対象に。
 
 

企業型DCの受け取り条件

50歳以前から加入していると60歳から引き出せる。
60歳以降は掛金の追加はできないが、70歳まで運用を継続できる。

一定期間内に受け取ると「退職所得控除の枠」は合算される

確定拠出金

前年以前、14年以内に他の退職金の支払いを受けている場合は合算される。
 

退職一時金

前年以前、4年以内に他の退職金の支払いを受けている場合は合算される。

おススメの受け取り方

ほかの退職所得と合算して非課税の範囲内で一時金を受け取り、残りは年金形式として受け取る。

退職金が少ない人

企業型DCを退職所得控除額の枠内なら非課税で受け取る。
 

公的年金が少ない人

年金として受け取る。

さらにおススメの受け取り方

公的年金を70歳まで繰り下げ、60歳代の公的年金等控除を最大活用。
年金改正で75歳まで繰り下げ可能となるので、60歳代の公的年金等控除だけでは足りない方は75歳までの繰り下げも検討。
 
 
 
▼参考書籍

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